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大分車いすマラソン2020の見どころ

 新型コロナウイルスの影響で世界中のスポーツが影響を受け、数多くの大会が中止に追い込まれる中、大分の車いすマラソンは「開催。ただし例年とは形を変えて。」という決断をした。大会名から「国際」という文字が消えた通り出場選手は国内選手に限定された他、ボランティアの規模縮小や一部関連行事の開催見送りなど、様々なコロナ対策をとった上で開催される。

【今年度最初で最後の東京パラリンピックマラソン国内選考会】
 来春の東京マラソンが新型コロナウイルスの影響で来秋に延期されることが発表されたため、今年の大分の大会が事実上最後の東京パラリンピックマラソン国内選考レースとなる。今後の大会スケジュールが未定なため選考条件は流動的ではあるが、「好タイム」と「順位」という二つの条件を揃えることが必要となる。

注目の筆頭は鈴木朋樹。去年の大会で世界ナンバーワンランナーのマルセル・フグ(スイス)とマッチレースを繰り広げた。トラック勝負で敗れたものの総合2位(国内1位)に入賞したのは記憶に新しい。鈴木自身は去年の世界選手権で3位に入り東京パラマラソン代表に内定しているものの、今大会の位置付けを「コロナの影響で練習ができない時期が長かった。大会に出場するのも半年以上ぶりなので、今の自分の力を確認するまたとない機会」ととらえる。26歳の東京のスター候補が持ち前のスピードを活かせるか。

今年の大会を東京パラリンピックに繋げたいと考える選手の筆頭格が去年総合6位(国内3位)の山本浩之。16年大会では最も障害の軽いクラスで日本人2人目の優勝を果たすなど、大分のコースは過去優勝1回2位6回と抜群の相性を誇る。東京パラを選手生活の集大成位置付ける54歳の大ベテランが、得意のコースで最後の大勝負に挑む。

 去年の大分で国内2位、総合4位に入った渡辺勝も注目だ。2016年大会のハーフマラソンを大会新記録で制したスピードランナーは、去年の大会で長距離の適正も証明した。今年は夏に2か月のスイス武者修行を敢行し、マルセル・フグと共に練習を重ねた。28歳の若手注目株が、大分でどんなレースを見せてくれるのか楽しみだ。

 この他、前回のリオパラリンピック代表選考会では3秒及ばず涙の代表落ち。「いつも以上に攻めたい。潰れてもいいという気持ちで走る」と語った難波のスタミナランナー西田宗城や、男子マラソン日本記録保持者洞ノ上浩太、過去4大会連続パラリンピックマラソン日本代表の副島正純、久々に大分のフルマラソンにエントリーしたスピードランナーの樋口政幸など、まさに国内最強決定戦と呼ぶにふさわしいメンバーが揃った。

 OBS大分放送ではこのレースの模様を今解説にアテネ、ロンドンパラリンピックマラソン日本代表の花岡伸和さん。ゲスト解説にスポーツジャーナリストの増田明美さんをお招きしてOBSテレビ・ラジオ、BS-TBSで完全実況生放送。
今年の大会にはフルマラソン・ハーフマラソンに24の都道府県から107人がエントリーしている。取材した全選手が大会を開催してくれた関係者への感謝の言葉を口にする、例年以上に様々な想いのこもった大会。新たな時代のスタートを告げる号砲はまもなくだ。

OBSアナウンサー 吉田諭司
(文:OBSアナウンサー 吉田諭司)